身辺調査のやり方|探偵はどうやって調べるのか手法を公開
探偵の身辺調査は合法的な手段の組み合わせで行われる
映画やドラマに出てくるような盗聴や侵入は、現実の身辺調査では一切使われません。実際のプロの調査員は、合法的な情報収集手段を組み合わせ、複数の情報源から裏付けを取るという地道な作業を積み重ねて事実を明らかにしていきます。
この記事では、興信所や探偵事務所が実際に使う4つの調査手法と、その具体的な進め方を紹介します。
身辺調査の主な手法
手法1:聞き込み調査
身辺調査の核となるのが聞き込みです。対象者の近隣住民・元同僚・知人などに接触し、データだけではわからない「生の情報」を収集します。
経験豊富な調査員は、世間話のような自然な会話の中から必要な情報を引き出す技術を持っています。「調査員です」と名乗ることはなく、相手に調査を悟らせない高度なコミュニケーション力が求められる手法です。
聞き込みで得られる情報の例:
- 近隣での評判(「あの家はよく深夜に来客がある」「以前、大きなトラブルがあった」など)
- 生活態度や性格に関する具体的なエピソード
- 家族関係の実態(同居人の有無、家族間の雰囲気)
手法2:データベース・公開情報調査
公開されている情報源を活用した調査です。
- 登記情報:法務局で取得できる不動産や法人の登記簿
- 訴訟記録:裁判所で閲覧可能な判決記録
- 官報:破産情報などが掲載される政府の広報誌
- インターネット情報:SNS・ブログ・掲示板などの公開投稿
- 新聞・報道記事:過去の事件やニュースのアーカイブ
これらはすべて合法的に取得できる情報です。
官報はインターネット上でも過去30日分を無料で閲覧できます(「インターネット版官報」)。自己破産の情報は官報に掲載されるため、自分でも確認できる公開情報のひとつです。
手法3:現地調査
対象者の居住地や勤務先の周辺を実際に訪れて、生活環境を確認します。
- 住居の種類・規模から生活水準を推定
- 近隣の環境(商業地か住宅地か)
- 車両の種類・台数
手法4:尾行・張り込み
身辺調査に素行調査を組み合わせる場合は、尾行や張り込みも行われます。
- 出退勤の時間と経路
- 休日の行動パターン
- 接触する人物の特定
プロの調査員は複数名でのローテーション尾行を行い、同じ人物が長時間追跡しないよう工夫しています。詳しくは素行調査はバレる?で解説しています。
盗聴器の設置、不法侵入、郵便物の開封、通信の傍受といった行為は違法です。正規の興信所では絶対に行いません。
身辺調査の流れ
一般的な身辺調査は、以下のステップで進みます。
- ヒアリング:依頼者から調査の目的と対象者の情報を聞き取る。何を知りたいのかを明確にする段階
- 調査計画の策定:収集した情報をもとに、調査手法・期間・必要な調査員数を決定する
- 情報収集:聞き込み・データベース調査・現地調査を並行して進める。必要に応じて尾行調査を追加
- 情報の裏付け:得られた情報の信頼性を確認するため、複数の情報源からの裏付けを行う
- 報告書の作成:調査結果を写真付きの報告書にまとめる。裁判で使う場合は証拠能力のある形式で作成
複数の情報源から裏付けを取ることで、聞き込みで得た情報の信頼性が高まります。1つの情報源だけで判断せず、必ず裏付けを取るのがプロの調査員の基本です。
料金プラン別の具体的なシミュレーション
調査手法の組み合わせによって費用がどう変わるか、具体的にシミュレーションします。
ケース1:聞き込み+公開情報調査のみ
- 手法:近隣住民への聞き込み+登記情報・訴訟記録の確認
- 調査員:1〜2名
- 期間:1〜2週間
- 費用目安:20万〜35万円
ケース2:聞き込み+公開情報+現地調査
- 手法:上記に加え、居住地・勤務先周辺の実地確認
- 調査員:2名
- 期間:2〜3週間
- 費用目安:30万〜50万円
ケース3:全手法を組み合わせた総合調査
- 手法:聞き込み+公開情報+現地調査+尾行3日間
- 調査員:2〜3名(尾行時はローテーション体制)
- 期間:3〜4週間
- 費用目安:50万〜70万円(内訳の目安:身辺調査30万円+素行調査(1時間1万円×8時間×3日=24万円)+諸経費)
| 手法の組み合わせ | 費用目安 | 期間 | 情報の深さ |
|---|---|---|---|
| 聞き込み+公開情報 | 20万〜35万円 | 1〜2週間 | 基本的な経歴・評判 |
| +現地調査 | 30万〜50万円 | 2〜3週間 | 生活環境も把握 |
| +尾行調査 | 50万〜70万円 | 3〜4週間 | 行動パターンまで網羅 |
よくあるトラブル事例と防ぎ方
トラブル1:違法な調査方法を使う業者に依頼してしまった
「戸籍を取得できる」「銀行口座を調べられる」と説明する業者に依頼した結果、違法に取得された情報を渡されたケースです。依頼者自身も法的責任を問われる可能性があるため、調査方法が合法かどうかを必ず確認してください。
トラブル2:聞き込みが対象者にバレた
経験の浅い調査員が不自然な聞き込みを行い、対象者の知人から「誰かが聞き回っている」と伝わったケースです。聞き込みの技術は調査員の経験に大きく依存するため、実績豊富な事務所を選ぶことが重要です。
トラブル3:裏付けのない情報を報告された
聞き込みで得た噂を、裏付けなく「事実」として報告書に記載されたケースです。信頼できる事務所は複数の情報源から裏付けを取ることを基本としています。報告書に「裏付け済み」「推測」の区別が明記されているか確認してください。
「どんな手法でもいいから結果が欲しい」という依頼は絶対にしないでください。違法な手段で得た情報は裁判で証拠として使えないだけでなく、依頼者自身が法的責任を問われるリスクがあります。
身辺調査で使わない手法
以下の手法は法律で禁止されているため、正規の興信所では使いません。業者選びの際にこれらを「できる」と言う業者は避けてください。
- 戸籍謄本・住民票の不正取得は行わない
- 銀行口座への照会は行わない
- 盗聴・盗撮は行わない
- 郵便物の開封は行わない
- 他人のPCやスマホへのアクセスは行わない
これらの手法を「使える」と言う業者は違法業者の可能性が高いため、利用しないでください。
身辺調査の費用については身辺調査の費用相場、調べられる範囲は身辺調査でわかること一覧をご確認ください。
まとめ
身辺調査は聞き込み・公開情報調査・現地調査・尾行を組み合わせた合法的な手法で行われます。違法な手段は一切使いません。調査を依頼する際は、興信所の選び方を参考に、正規の届出業者を選んでください。結婚前の調査については結婚調査とは?、興信所の料金全般は興信所の料金相場もあわせてご確認ください。
身辺調査にかかる期間はどのくらいですか?
基本的な経歴確認なら1〜2週間、交友関係や評判まで含めると2〜4週間が目安です。調査範囲が広いほど期間は長くなります。
依頼者が提供した情報が間違っていた場合はどうなりますか?
調査の効率が落ち、結果として調査期間と費用が増える可能性があります。提供する情報はできるだけ正確にしてください。不確かな情報は「不確か」と伝えたほうが、調査員も適切に対応できます。
身辺調査を自分で行うことは可能ですか?
SNS検索や公開情報(登記・官報)の確認は自分でも可能です。ただし、聞き込みや尾行は素人が行うと対象者にバレるリスクが高く、ストーカー規制法に抵触する可能性もあります。行動調査はプロに任せてください。
調査員は何人くらいで身辺調査を行いますか?
聞き込み中心の身辺調査であれば1〜2名、尾行を含む場合は2〜3名が一般的です。人数が多いほど調査の精度は上がりますが、費用も増加するため、調査内容に応じた適切な人数を事務所と相談してください。
身辺調査の報告書はどのような形式ですか?
一般的には、A4サイズ数十ページの書面で、写真・地図・時系列の記録が含まれます。聞き込みの結果は「情報源」「得られた情報」「裏付けの有無」が整理されて記載されます。事前にサンプルを確認することをおすすめします。
身辺調査中に対象者が引っ越した場合はどうなりますか?
調査中に対象者が転居した場合、新住所の特定と転居先での追加調査が必要になることがあります。追加費用が発生する場合は事前に連絡が入りますので、そのタイミングで継続するかどうかを判断できます。